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東海道五十三次 歩いてます。→歩きました。

2015年秋 お江戸・日本橋から歩き始め、2016年秋 京・三条大橋まで踏破しました。

08. 念願の宇津ノ谷峠へ

そして6日後。
2015年3月14日 (土)

だいぶ寄り道しましたが、今日こそ行きます 宇津ノ谷へ。

前週土曜日と 全く同じ時刻に家を出て、同じ電車に乗り込みます。
AM9:50 静岡駅に到着しました。

静岡駅からバスに乗り、宇津ノ谷入口まで行くのが手っ取り早いのですが。東海道の旅人たる者、6日前にお世話になった丁子屋さん付近でバスを降り、宇津ノ谷まで歩いて向かいます。
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懐かしの丁子屋さん
しかし今日は先を急ぎます。

歩くこと1時間強…
宇津ノ谷峠 入口の、道の駅に到着します。

宇津ノ谷峠は東海道屈指の難所。
古くは奈良・平安時代から 現代に至るまで、複数の道が通っています。
① 蔦 (つた) の細道
旧東海道
③ 明治のトンネル
④ 大正のトンネル
⑤ 昭和のトンネル
⑥ 平成のトンネル

まずは 蔦の細道 を通って峠を越え、向こう側からは 旧東海道 を通り峠越えをしながら引き返してくる。そんな計画です。

国道1号を走り去る自動車は、昭和のトンネル と 平成のトンネル を通って宇津ノ谷峠を くぐり抜けます。

道の駅 の外れから、蔦の細道 はスタートします。
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蔦の細道 は宇津ノ谷峠を越える最も古い官道で「伊勢物語」によって広く知られるようになり、後世にも数々の文学作品の題材とされてきました。

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まさに細道。辺りは静けさに包まれています。
古代・中世の旅人に思いを重ね合わせながら歩を進めます。
心細くなるような薄暗い峠道では、追い剝ぎに遭う危険と隣合わせだったのかもしれません。

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急な段差を登っていくと…

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峠には、伊勢物語の主人公とされている 在原業平 (ありわらのなりひら) の歌碑があります。

" 駿河なる宇津の山辺のうつつにも
   夢にも人にあはぬなりけり "

と、ここで 文字の消えかかった立て札 を発見。
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ナントカ峰 120… ?
気になります。ちょっと行ってみましょう。

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途端に険しい山道です。
行けども行けども 険しさは増すばかり。
この展開は… 6日前 山城に登ってしまった記憶がよみがえります。引き返すなら今のうちです。
気軽に突き進むには あまりにも急な坂道だったので、断念して 立て札の位置まで戻ります。

後に、あの立て札に書かれていたのは
「満観峰 (まんかんほう) 」と判明しました。
標高470m。山頂からの眺望は素晴らしく、登山コースもいろいろあるようです。
立て札には120「分」と書いてあったのか… 引き返して正解でした。

さて、峠を下りましょう。
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ごつごつした石が足の裏を刺激する道。

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念願の 宇津ノ谷峠を越えました。

ふと横を見ると、看板があります。

「木和田川上流遊歩道 (堰堤巡り) : 往復1.9km・所要50分」

… 後ろ髪を引かれながらも、「もう寄り道なんてしない」と背を向けて歩き出します。

「つたの細道公園」を通り抜け、車の往来の激しい国道1号を 歩道橋で横断します。
先程 道の駅 の横を走っていた自動車は、昭和のトンネル・平成のトンネルを抜けて この地点に出てきます。

そして「明治のトンネル」入口へ。
赤レンガとランプが、趣のある佇まいです。
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地元の高校生たちが トレーニングのため走って くぐり抜けていました。
私は トンネルをくぐらずに、旧東海道で峠越えをして引き返します。

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旧東海道は、蔦の細道 より幅があります。
かつて小田原征伐の際には豊臣秀吉の軍勢が走り抜け、江戸時代には参勤交代の大名行列も通りました。

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眼下に宇津ノ谷の集落を望みます。

峠を下りて 集落に辿り着きました。
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とても静かで 現代の喧騒からは程遠く、大変 風情のある家並みを眺めながら 心穏やかに歩いて行きました。

宇津ノ谷峠。
小説に登場し 興味を惹かれて訪れました。
東海道屈指の難所であり 新旧様々な道が通る場所、一体どのようなところなのか大変興味深かったのです。
それをこの目に確かめ、この足で歩き、静かな時を感じ 古代からの人々の往来に思いを馳せることができました。

思い返せば 前週から3日間にわたるこの静岡の旅が、その後の「東海道五十三次歩き」の足がかりとなりました。
そして 私の旅心 (タビゴコロ) に火がついたのです。

きっとまた 訪れたい場所、宇津ノ谷。
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( ちょうど1年後に、東海道五十三次歩きで再訪することになります。その模様は後に当ブログにて。)