東海道五十三次 歩いてます。→歩きました。

2015年秋 お江戸・日本橋から歩き始め、2016年秋 京・三条大橋まで踏破しました。

32. 天下の険 ひとまず四里

日の入りまで あと5時間。
資料館を後にして、まずは早雲寺 (そううんじ) でお参りします。
小田原北条五代の菩提寺です。

それから15分ほど歩いて行くと、「箱根旧街道」入口に差し掛かります。
箱根の山道は急坂で滑りやすいので 歩きやすいよう竹が敷き詰められていましたが、江戸時代 延宝8年 (1680年) に改修され石畳の道になりました。

「いよいよ箱根の山に登るんだ」と高揚した気分で歩いて行くと、沢に架かっている "さるはし" で1匹の猫に出会います。
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ネーミングセンス控えめに "にゃーちゃん" と呼びかけてみます。
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お気づきかもしれませんが、 "にゃーちゃん" は当ブログのプロフィール欄に登場しています。

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落ち葉で埋め尽くされた石畳の道。

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石畳の道は数ヶ所残っていますが、それ以外は一般道路を歩きます。
道幅が狭く歩道が無い区間もあります。
わりと車が往来しスピードも出ているので、常に用心深く。

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晩秋〜初冬の候
冴え渡る空、彩り豊かに装う木々。

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杉に囲まれた静かな道。

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沢に架かる簡易的な橋を渡ります。

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真っ赤だな 真っ赤だな
つたの葉っぱは真っ赤だな
もみじの葉っぱも真っ赤だな

辺りを見まわして人がいないことを確認し、小さな声で歌います。

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苔むした石畳は滑りやすいので、注意深く足を運びます。

往時の旅人気分で歩いて行くと、畑宿 (はたじゅく) に辿り着きます。
畑宿は 小田原と箱根の間の休憩所「間の宿 (あいのしゅく)」であり、伝統工芸「寄木細工」が生まれたところです。
お店が何軒か並んでおり、色合いの異なる木材の組み合わせによって様々な模様が作り出された作品は、いずれも目を惹くものばかりです。
きっと昔の旅人たちも心奪われたことでしょう。

畑宿を過ぎ、再び石畳の道を登って行きます。
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石畳が途切れ 一般道を歩いていると
「これより1.2kmの間 七曲り / 上り勾配 10.1%」
という看板が。
かなりの急カーブを何度も曲がって、一気に登っていくようです。

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時々振り返り、すごい場所を歩いているものだな と思いながら進んで行きます。

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車が横を通り過ぎ 日差しを遮るものは無く 疲労は増していきますが、日没まであと2時間。
前途多難になってきましたが、前に進むしかありません。
七曲りの途中で 歩道が車道と分かれ、今度は急な階段が目の前に現れます。
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階段はどこまでも続きますが、ただただ 無心で登って行きます。

急な坂を登りきると、見晴らしの良い場所に出ます。
さらにもう少し登ると「笈の平 (おいのたいら)」に辿り着き、江戸時代初期から続く「甘酒茶屋」で しばし休息を。
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甘酒と力餅で 疲れた身体に栄養補給。

再び石畳の道を歩いて行くと「元箱根まで40分」の看板があります。
時計を見ると15時過ぎ… なんとか辿り着けそうです。

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時間に余裕はありませんが、石畳の道を逸れて「お玉ヶ池」に寄り道してみます。
お玉という少女が江戸の奉公先から伊豆の国元に逃げ帰ろうとした際、関所破りをした罪で処刑され 首をこの池で洗ったという悲しい伝説があります。

急いで石畳の道に戻り 歩いて行くと、「箱根馬子唄」の歌碑が目の前に。

箱根八里は馬でも越すが
越すに越されぬ大井川

ここまで四里 歩いてきました。
もうすぐ元箱根、本日の目標地点です。

"越すに越されぬ" 大井川が気になるところですが、まだ先の話 (静岡県 島田と金谷の間) なので 今は考えないことにします。

そして… ゆくてに見えるのは…
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芦ノ湖です。
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湖の向こうには箱根神社の赤い鳥居が見えます。

「箱根の山は天下の険 (けん)」
と歌われた箱根峠。
ここまで到達することができました。

夕日に照らし出された湖面を見つめながら 静かに たたずみます。

まもなく日が沈みます。

元箱根のバス乗り場に行くと、ちょうど小田原駅行きのバスが停まっていました。
名残惜しくはありますが、本日の旅はこれにて終了です。

バスに揺られながら外を眺めていると、あっという間に空は暗くなっていきます。
辺りがすっかり暗闇に覆われた頃、今日1日の思い出と疲労感に包まれた私は 深い眠りに堕ちていたのでした。

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★第6日目
2015年12月5日 (土)
小田原→箱根
   資料上の距離 : 16.5km
   歩数計 (1日) : 21.09km / 36,856歩